今回は思春期から大人まで、幅広い人が悩むニキビについて特集します!
目次
1、ニキビの原因
ニキビというと赤く腫れた状態をイメージしますが、ニキビはまず炎症のない状態(面ぽう=コメド)から始まります。古い角質などで毛穴が詰まったり、性ホルモンなどの影響で皮脂の分泌が盛んになると詰まった毛穴に皮脂がたまり、そこでもともと皮膚に存在するアクネ菌が増殖することで「面ぽう」は大きくなっていきます。そして面ぽうにやがて炎症が起き、赤く腫れてしまいます。ひどい炎症が起きると細胞が死にクレーターのような凸凹(瘢痕)が皮膚に残ることもあります。つまり、ニキビは毛穴のつまり、皮脂の分泌、原因菌(アクネ菌など)の増殖によって引き起こされるということです。
2、ニキビの治療
ニキビの治療は主に薬で行います。ニキビの薬物治療には3カ月程度が必要だと言われています。1~2週間でやめてしまう人が多いですが、重大な副作用が出ていない限りはまだ効果を判断するには早いですよ。
① 内服であれば抗生剤であるミノサイクリン(商品名:ミノマイシン錠)がよく使用されます(その他、肌の調子を整えるビタミンB群やビタミンC、肌によいとされる漢方薬などを使用することもあります)。
② 外用薬はこれまではおもに原因菌の増殖を抑える目的で、抗生剤が使用されてきました。クリンダマイシン(商品名:ダラシンTゲルなど)、ナジフロキサシン(商品名:アクアチムクリームなど)、オゼノキサシン(商品名:ゼビアックスローションなど)です。ただ、乱用すると抗生剤の効かない菌(耐性菌)が生まれてしまうことが懸念されています。
③ 近年、ニキビの原因である「毛穴のつまり」を取る薬が新しく出来ています。アダパレン(商品名:ディフェリンゲル)です。
④ 「毛穴のつまり」と「アクネ菌の増殖」両方に効く薬もできました。過酸化ベンゾイル(商品名:べピオゲル)です。いまのところ耐性菌は確認されていないようです。
⑤ 複数の薬を配合した薬もできています。クリンダマイシン+過酸化ベンゾイル(商品名:デュアック配合ゲル)、アダパレン+過酸化ベンゾイル(商品名:エピデュオ)です。
3、使用上の注意
- ③④⑤は皮膚が赤くなったり、乾燥したり、薄くはがれたり、ヒリヒリしたり、かゆみがでたりする頻度が抗生剤より高いです。アダパレンは2週間以内に表れてその後やわらいでいくようです。いずれにせよ症状の強い場合は主治医と相談しましょう!(もちろん抗生剤にもいえることですが)
- ③④⑤は、紫外線を避ける意味でも夜使用してください。乾燥や刺激をさけるため洗顔→保湿→薬塗布の順で行うとよいでしょう。
- 抗生剤は基本的には赤いニキビが出来ているところだけに塗ります。③④⑤はニキビ周辺にも塗りますが、デリケートな部位(目の周囲、小鼻、粘膜)や傷口は避けましょう。また、初日は狭い範囲で塗り、必要に応じて徐々に面積を広げたほうが安全です。
4、ニキビを悪化させない生活上の注意
- 洗顔時にはしっかりと洗顔料を手で泡立ててから使いましょう。またこすらずに優しく洗って下さい。また、洗顔料のすすぎ残しには注意してください。水分はフェイスタオルで拭き取りますが、ここでもこすらないでください。保湿時にも皮膚をこすらないよう注意してください。こすると皮膚のバリア機能が落ちたり、炎症が悪化する可能性があります。
- ニキビに極力触れないようにしましょう。手はもちろん、髪が顔に触れないようにしたり、襟などにも注意が必要です。寝る時はうつぶせ寝にも注意が必要です。自分でニキビをつぶすのはやめましょう。跡が残る可能性があります。
- 暴飲暴食・睡眠不足・過度のストレスなど生活習慣にも気を付けましょう。
5、メイクをする際の注意点
- 化粧品の油分でニキビが悪化することがあります。「ノンコメドジェニック」はニキビができにくい成分を使用した化粧品です。また、「ノンコメドジェニックテスト済み」はニキビができやすいかどうか試験してニキビができにくかったものです。これらの表示があるものを選びましょう。
ニキビができるとテンション落ちますよね。ニキビケアの参考にしてください。